赤リン

せきりん

red phosphorus

赤リンは黄リンとならびリンの同素体(allotrope)として紹介されることが多いのですが,実際のところは赤リンは紫リンと黒リンという二つのリンの同素体の固溶体(均一に溶け合った固体)であると考えられています。同素体は定義上,単体であることが求められ,単体は純物質でなくてはいけません。紫リンも黒リンもリンの単体ですので,これらの混合物も組成は $\ce{P}$ ということになりますが,これを純物質と見るか混合物と見るかは判断が分かれるところで,そのため,赤リンをリンの同素体の一つと考える場合と,赤リンは同素体ではないと考える場合の両方の立場が教科書などには見られます。ただし,前者の立場をとったとしても,この事実を知ったうえで,習慣として赤リンをリンの同素体の一つであると述べることは実用上問題ないでしょう。 ⇒ リン

最終更新日 2024/01/13

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