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白銅

はくどう

cupro-nickel

銅 $\ce{Cu}$ とニッケル $\ce{Ni}$ は任意の割合で互いに均一に溶けあった固相(全率固溶体)をつくります。したがって銅ニッケル合金はその混合比,および銅とニッケル以外の成分によってたくさんの種類が知られており,またその特性も様々です。

白銅は銅ニッケル合金のうちニッケル含有率が $10$ ~ $30\unit{\%}$ 程度のものをいいます(含有率の範囲については出典によって多少ばらつきがあります)。ニッケル含有率が大きくなるにつれて名前の通り銀白色になっていき,$\ce{Cu}\,75\unit{\%}-\ce{Ni}\,25\unit{\%}$ の白銅は 50 円硬貨と 100 円硬貨に使われていますので,私たちにとって最もなじみ深い白銅と言えます。白銅の英語名は cupro-nickel で,日本語でもキュプロニッケルと英名をカタカナ表記して表すことがあります。日本語では見た目,英語では成分に基づいて命名されています。

現行の白銅 50 円硬貨が発行されたのは昭和 40 年代以降で,それまではニッケルの 50 円硬貨が使われていました。下の写真は新旧の 50 円硬貨を比べたものです。白銅と言いつつ,銅を思わせる赤銅色は一切感じられず,純ニッケルにかなり近い色合いであることがわかります。

新旧50円硬貨

左:旧 50 円硬貨(ニッケル) 右:現行 50 円硬貨(白銅)

銅ニッケル合金

銅ニッケル合金は,ニッケル含有率が小さいと良好な電気伝導性などの銅の特性が強く残り,反対にニッケル含有率が上がるとニッケルの特徴である耐食性,強度が優れた合金となります(その代わり加工性は悪くなり,値段が高くなる)。白銅よりもニッケル含有率が $40$ ~ $50\unit{\%}$ 程度と高い合金はコンスタンタンとよばれ,抵抗線や熱電対の材料として用いられます。さらにニッケル含有率が上がったモネル合金は耐食性が非常に高く,きわめて反応性が高いフッ素 $\ce{F2}$ に対して不動態を形成するため,フッ素の保存に用いられます。

最終更新日 2022/08/13