メディア授業

今回は緊急事態ということで,大学からはいくつかのモデルケースが提案されました。教科書の該当ページを指示して,各自の自習を促すという入門レベルから,上級レベルでは双方向がリアルタイムでやり取りできる講義まであります。実施する教員側の技量に加え,受講する学生側のネットワーク環境の問題もあるため,より多くのデータ通信量を必要とする上級レベルが単純に優れているというわけでもないようです。

私の技術レベルと教育効果を天秤にかけて,今回は双方向のオンライン授業は行わず,動画を収録して公開することにしました。動画の公開の仕方にも色々あって,学内のシステムを使って配信する方法は公開範囲を限定できたり,受講生とのやり取りの仕組みが用意されていたりとメリットもあるようでしたが,調べていくうちに,だんだんと面倒になって,最終的には,YouTubeで一般公開でいいか,別に減るもんでもないし,と割り切ることにしました。受講生に要求するITスキルも少なくて済みます。資料の配布は学内のシステムを使うことにします。

ということで,講義の準備を整えて収録に挑みました。人気のない学内の教室でパソコン内蔵のカメラを黒板に向ける。見にくい。角度と高さが合わないと黒板が歪んで見える。机を並べ,さらに上に椅子を置いて高さ調整。パソコンの位置と角度を微調整して,ようやくいい感じ。録画ボタンをクリック,「みなさん,こんにちは。むきふふふほ」。いきなり噛む。やり直し。録画開始!やはりすぐ噛む。誰もいない教室で腹式呼吸の発声練習をしてみる。平時ならかなり怪しい光景だ。少し口がほぐれ,最初の挨拶まで無事収録完了。10回近く撮り直しました。講義の本編も何度か撮りなおしましたが,それでも慣れてくると,区切りがよいところまで1回撮りができるようになりました。しかし,滑舌が悪い。まぁ普段の講義でもこんな感じなので,こればかりは仕方がない。

動画を撮って,確認して,次を撮っての繰り返しなので,単純に考えて実際の講義の倍以上の時間がかかります。セットアップも含めて,最初は1コマ4時間以上,収録にかかりました。この無観客講義はなかなかキツイ。最初はチャチャっと数コマ分まとめて収録してしまおうと考えていたのですが,愚かな考えでした。撮影後は,ネット情報を頼りにフリーソフトを使って編集。せっかく覚えたので,遊び心を出して効果音なんかも入れてみる。それをYouTubeに公開して,関連資料をサーバにアップ。全部やると1日仕事です。

映像はパソコンの内蔵カメラでも特に問題は感じませんでしたが,マイクが難しいなと思いました。最初はスマホの通話に使えるワイヤレスマイクを持っていたので,それを使ったのですが,声が曇った感じになってしまいます。むしろパソコンの内蔵マイクの方がいいんじゃないかということで,途中から切り替えました。声質は改善されたのですが,パソコン本体が発するノイズ音を拾ってしまうことがあるようです。マイクはそこそこちゃんとしたやつを外付けした方が良いんじゃないかと思いました。

それから,通常の講義は厳密な時間の制約がありますが,動画にはそれがないため,大事だけど講義では省略したり簡単に済ませたりしている個所を,せっかくなのでと詳しく話すと,トータルの講義時間が長くなります。これをプラスにとるかマイナスにとるかは学生の受け取り方次第ですので,授業アンケートなどで意見を寄せてくれるとありがたいです。

コロナ対策という外的要因で始めたメディア活用授業ですが,実際にやってみるとそのメリットとデメリットも具体的に見えてきました。この経験はコロナが去った後も活かしていければと思います。受講生の視点からのデメリットとしては,対面の講義よりも単調になりやすく集中力が持たないということでしょうか。私は自分の動画を見ていて何度も寝落ちしました。双方向授業にすることでこの辺は改善できるのかもしれません。

まだまだ不十分とは思いますが,やる側も結構大変で努力しております。受講生の皆さん,不満もあるでしょうが,どうぞ優しい目で見てください。

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