メディア授業

コロナ禍の中,大学の講義も対面で行うのではなく,インターネットを介したオンライン授業が多くの大学で始まっています。私が所属する大阪大学でも,状況の変化に応じて段階的にメディアを活用した授業を行うことになっており,緊急事態宣言が出ている現状ではメディア授業のみの実施,今後状況の改善に伴って,メディア授業主体の講義,そしてメディア授業の積極的利用という風に段階を踏んで通常体制に戻していく計画となっています。

もともとコロナ騒動の前から,大学の講義等でメディアを高度に使って教育活動を行うという取り組みは存在しており,活用に積極的な姿勢を示している先生方がおられるのも知っておりました。

大学における多様なメディアを高度に利用した授業について(文科省資料)

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/043/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/09/10/1409011_6.pdf

私は,これまで資料の配布をインターネットを通じて行うといった程度の活用しかしていなかった消極派だったのですが,今回の事態に至り,重い腰を上げてメディア活用に取り組んでみたところ,色々と感じるところがあったので,現時点での印象を記録しておきたいと思います。

消極派と書きましたが,以前に一度だけメディア活用をしたことがあります。これは,通常の講義を収録し,それを受講生が後から視聴できるというものです。復習に用いたり,欠席した講義のフォローアップを目的としたものです。教員の立場からは,大学に利用申請するだけで,講義時間になると自動的に収録されるので,導入のハードルは低いものでした。しかし,私は以下のようなデメリットを感じ,継続的な利用には至りませんでした。

  1. 講義中にどうしても収録していることを意識してしまい,授業のライブ感が失われる気がした。
  2. 学生には講義動画を公開するとアナウンスしているにも関わらず,機器の不調で収録されないことがあった。
  3. タイマーでセットされた自動収録のため,講義が少し早く終わって私が退室した後の学生同士の雑談が収録されていた。学生にも収録は通知されているとは思うが,盗聴しているような気まずさを感じた。また,編集ミスでこのような会話を公開してしまうリスクは避けたいと思った。

1については,慣れの問題もあると思いますが,どうしても発言が硬くなってしまうのが自分でもわかりました。講義中に,業界裏話のような(くだらない)付帯情報を付け加えると,意外とそれが記憶のトリガーとなって,講義本体の理解の定着にもつながるものです。また,その場限りだと思うと,高尚なおやじギャグの一つでも飛ばして,眠たそうにしている学生に気分転換のチャンスを与えたりもできます(と私は思っている)。ただ,それが後から動画で繰り返し見られると思うと,つい意識して良い子を演じてしまいます。

2については,学生が動画を講義のおまけ程度にとらえてくれれば良いのですが,それがあることを前提に学習している学生には,必要な学習コンテンツを提供できないということになり,要望があれば私の責任で対処しなくてはならなくなります。しかし正直,そこまでの責任は負担であると感じました。

3については,講義後の雑談が結構クリアに収録されていました。たわいない話でしたが,公開時には確実に消去しておく必要があり,その確認作業に意外と時間がかかりました。

特に1番の理由が大きいですが,このような理由で,その後のメディア活用については消極的になっていたわけです。しかし,今はそんなことは言っていられません。ということでメディア授業の準備をすることにしました。

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